LILY of the NILE   A NOVEL OF CLEOPATRA'S DOUGHER
Stephanie Dray  著

こういう話が読みたかった!

 英語の「クレオパトラ・セレネ」が主人公の小説は、これまでに何冊か発行されています。特にここ2年の間に4冊ほど出るようです。
 私も2冊ほど持っていましたが、いかんせん私は読めないもので、興味はあるものの放置気味でした。
 この「Lily of the Nile」もアマゾンの書評で知って、最初は「どうせ私はちゃんと読めないからなあ」と自分に(……)期待してなかったのですが、やっぱりセレネに興味があるので寄り寄せました。パラパラめくるうちに、読めないながらも、というか読めない為になかなか手放せなくなりました。
 古代ローマものだから貴重だとか、好きな人物が出てくればいいとかじゃなくて、私はこの物語が好きです。何故ならかなり私の好みだから! 

萌POINT

  セレネの兄弟は生きていて、共にローマへ連れてこられます。ヘリオスはプライドが高くてアウグストゥスに反抗的な態度を取り、セレネをハラハラさせています。フィラデルフォスはおとなしめ。セレネは謙虚に見せかけて、アウグストゥス(文中ではEmperor)やリウィア、オクタウィア達には慎重に対応し、姉妹たちともなんとか上手くやっています。
 プトレマイオス王朝最後の王女セレネは、エジプトの女神イシスからのメッセージが腕に記述されてしまう体質になってしまいます。歴史ものなのに、違和感がありますが、このオカルトチックな設定はなかなか面白いです。

 ユバはセレネ達のローマでの家庭教師です。ローマ式の名前はガイウス・ユリウス・ユバ。若くハンサムな教師です。ユリアにも「女の子ならあの唇にキスされたい」とか言われるイケメン(笑)。同じ境遇のユバはセレネに親身になりますが、好意的な反面、口論もします(セレネのマリッジブルー?)。ヘリオスたちとエジプトに戻って女王になることを望んでいるにもかかわらず、セレネもユバに惹かれつつあり、ユバとの結婚を受け入れてゆく……なかなかいい感じのポジションです。私もユバは彫像を見ても結構二枚目なんじゃないかと思ってるので、何気に嬉しいです! 

 ユリアはセレネに親切な少女で、機織が苦手なセレネを助けてくれたり? 家族や結婚について愚痴をこぼしたりする仲です。オクタウィアやリウィアには嫌な思いをさせられているのに、明るくて健気です。オクタウィアにも「私は結婚したら、ダラダラしてやる」と言って呆れられます。このユリアは超可愛い! 奥手なセレネには、ユリアの恋愛は心配の種。ユルスと人目を忍んでベタベタしているところを目撃してドキドキさせられます。
 オクタウィアとリウィアはアウグストゥスを挟んで対立的な態度で、ユリアの結婚相手をそれぞれの息子にしようと画策していますが、ご存じの通りマルケルスと結婚させられることに。誰にも心中をこぼせないユリアは、ユルスを愛しているとセレネの前で涙するのですが、それを見るセレネは複雑な思いです。
 ユルスは少し屈折している感じです。一途なユリアとは違い、さほど真剣ではないのかも。実父やクレオパトラのせいでローマで苦労させられていた間、何も知らずにいたヘリオス達に対してもいい感情は持っていません。ティベリウスとマルケルス、ドルススはあまり出てきません。強烈なお母さま方の陰に隠れています。

 アグリッパはオクタウィアを愛しているのですが、それは周知の事実になっています。オクタウィアはセレネに「再婚しないのか」と聞かれて「誰と?」「アグリッパはあなたを愛してるわ」「私は年を取り過ぎて、彼に後継者を与えることは出来ないわ」。彼女はアグリッパの想いを突っぱねて自分の娘のマルケラと結婚させます。ユリアは「マルケラにはアグリッパは年よりだわ。父親みたいなものじゃない」と非難するのですが……(後のことを考えると複雑です)。アグリッパ曰く「俺は彼女を欲した。だが彼女は望んだのはアントニウスだった」。セレネは死してなお自分の父が愛され、他方では憎まれていることを知ります。
 

大ドンデン

 最後に驚きの展開があります。最後の最後で「やられたー!」という感じです。セレネがクレオパトラの娘という設定が活かされています。
 
 国を滅ぼされた王女の誇り、双子の兄の愛憎、恋愛に悩める少女の葛藤。セレネ以外の主人公以外の登場人物も魅力があり、読みやすい印象です。

 三巻シリーズの一巻目です。自分は好きなところしか頑張らないので、実はオリキャラの出てくる場面はすっとばしてます。翻訳が出たら嬉しいのですがそうそう甘くはないので、この先の人生まだいくらかありますので、自力で読めるように精進します! 


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